「ん………………」 そろそろ起きてくるかな? と思ったジャストで、彼方が声を上げる。 「………どっか行くの?」 ボソボソと寝起きの声で喋る。 「………………利翔の家」 見栄をはりたくて。 ヤキモチをやかせたくて。 そんな気持ちで「利翔の家」と言った。 ハッキリと、力強く。