次の瞬間。
私の体に温かなぬくもり。
4月にしては気温が高めな夜。
薄い長袖のTシャツ越しに伝わる
彼の体温。
リクが私を抱き締めながら耳元近くで囁いた。
「心美ちゃんは1人じゃない。
お父さんだってお母さんだって
友達もいる。僕も。
その事、忘れないでね。」
そう言い終わると、ゆっくりと
私から離れた。
体も、心も熱いよ、
温かさで、溶けちゃいそうだったよ。
「私はいつも1人ぼっちだよ…」
そう言った私の頭を
くしゃくしゃっと撫でてから
リクは私の手首を掴んで立ち上がる。
「よいしょっと。
ねぇ、僕お腹すいちゃった!
御飯…………食べよ?」
彼の純粋の笑顔が、
私の心を揺さぶる。
───ダメだ。
ドキドキが止まらない。


