私の頬に
リクのひんやりとした手が
触れたのは。
今、
時が止まったように感じている。
私とリクはしゃがみ込んだまま。
「涙……」
彼は両手で私の頬を覆い、
優しく撫でる。
瞬時にして私の心臓は飛び跳ね。
触れられている頬が
熱を持つように熱くなり、
その熱さは顔全体へと広がる。
きっと、顔は真っ赤───
どうやらさっきの涙、
乾いてなかったらしい…
これで2回目だ。彼に
涙を脱ぐってもらったのは…
「ヤメテ……」
目の前にある腕を、そっと掴む。
伏せたままの視線を上げて
ちらっとリクの顔を見ると、
潤んだ熱い眼差し。
その眼差しに
私の鼓動は更に早くなるばかりで
「心美ちゃん……僕が……」
「リ…ク…?」
リクは震える声で言った。


