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「リクどうしてここに………?」
玄関のドアを開けるとリクがいて。
私は思わず口を開いていた。
「心美ちゃんがね………
また寂しく…なってるんじゃ…ないかと思って。」
リクは息を切らしながら、そう言う。
私の不安を取り除くように、
目尻を下げ、柔らかい微笑みで。
大きなビニール袋を重そうに抱えたリク。
今にもビニール袋が崩れ落ちそう。
「上がって?ってかどうしたの…コレ。」
「一緒にご飯食べようと思って。
材料買って来ちゃっ……た。
あ、あ〜〜!」
温かい気持ちになったのも束の間
彼の叫びとともにビニール袋が見事に崩れ落ち。
耳を塞ぎたくなるような音と振動が起きた。
「もう、何してんの……」
そう言って、床に転がっている野菜を拾おうとした時。


