いつも温厚なお父さんが
珍しく声を大きくした事に
私は動揺を隠しきれない。
「な、何よ……………」
《父さんだって…家にいないし
母さんだって働いているんだ。
家族で協力していかなきゃ
ダメだろう?
母さんの手助けをしてやってくれ
みんなで頑張っていこう…》
お父さんの言葉に憤りを感じる。
私…毎日
窮屈で寂しい想いしているのに。
「…私の事なんて全然考えてないじゃん…
もう、話す事なんてない…
切るから。」
《ちょっ…待てここ…み》
私は一方的に携帯の電源を切り、
乱暴気味にテーブルの上へ置く。
テーブルの上には今日も
千円が置かれていた。


