《………そうか。
お母さんいつも心美の事を気にかけているから…》
お父さんの低い声が耳に残る。
「そんな事ないから。」
気にかけてるとか、
あるわけないじゃん。
《何言ってるんだ。
母さんは毎日心配している…。
夜1人で大丈夫かとか…。
ご飯も作って行けない事を母さんは自分を責めている。》
ありえない。
そんな事思ってるわけないっての
お父さんは家にいないから分からないんだよ。
「そう思ってるなら…
ご飯1つ作っていけばいいでしょ?」
《おい、心美!》
お父さんの声が大きくなる。
思わず耳から携帯を離した。


