また恋をした、その時に。




□□□

細い指先、丁寧に磨かれた爪。

手は右から左に滑らかに動く。

  “綺麗な字だな…。” 

くせのない、
大人びた彼女の字を
眺めながら思った。



視線を上にやると、
胸の膨らみがあって

僕の心拍数はドキリと反応する。





恥ずかしくなって、
更に視線を上に向ける。

すると、今度は
長くて綺麗にカールされたまつ毛
潤んだ瞳があった。





6時間の授業も終わり。放課後。

心美ちゃんは
学級日誌を書いている。

今は教室に2人きりだ。

僕たち以外、誰もいない。

静まり返っている教室に
学級日誌を書くボールペンの音
だけが響く。


どうして心美ちゃんが
学級日誌書いてるかって?

それはね、昼休みの終わりの方の出来事。

前の席の小日向君達と
お昼ご飯を食べ終わり、

1人、
学級日誌とにらめっこしている
僕に


『今日は私が書くよ。』 

と、心美ちゃんは優しい言葉を
かけてくれたんだ。

やっぱり優しい子だ。






「何?」

僕はその声にハッとした。

無意識に心美ちゃんをみていた自分。

何だか恥ずかしい………