ふと、視線を
騒ついているクラスに向けると…
廊下側の一番後ろの席。
ふわっとパーマがかかった黒髪。
俯いているから、
顔は見えなかったけど
あの艶やかな髪、
柔らかい印象を与える
緩やかなパーマのウェーブ。
暖かい雰囲気………
心美ちゃんだ。
間違えるはずないよ。
だって一昨日。自転車の後ろで
あんなにも近くで彼女の美しい髪
を見つめていたんだから。
「宇津木の席は───」
「あ!心美ちゃん!」
僕は無意識に声を出していて。
狭い、机と机の間を通り抜け
彼女の元へと急いだ。
今までの緊張が嘘みたいに
僕の心は軽くなったんだ。
嬉しくて、嬉しくて
しかたなくて。
───こうして
僕の学校生活は
始まったのでした。


