「せ、先生…日直は私1人で…」

丁度良いタイミングで、
1限目が始まるチャイムが鳴り
私の言葉は遮られた。


「遠藤、よろしく頼むな。」

柏山は出席簿を持った手を上げ、
教室を出ていった。

あ、ありえない…………


私は机の上に伏せ、深いため息。



その直後。

「ねぇ、日直って何するの?」

リクの柔らかい声が耳に届く。

私は起き上がり
机の中から一冊のノートを取り出した。

「これ学級日誌…
適当に書いといて?」




あ。
少し意地悪な言い方だったかな…


「…………うん。わかった。」

リクは微笑みを浮かべノートを受け取る。

この微笑みが
自然と私の罪悪感を
消してくれて。不思議。



まさか、
こんな所でリクと会うなん
て驚いた…

私は戸惑いでいっぱいだよ…

今日も
いつもと同じ、
変わらない日々のハズだった。

それで、良かったのに…


リクがこの学校にきてから
私の生活は、変わり始めた。