小日向君は大きな瞳を いっぱいに見開き 信じられないといった表情をしていて。 小日向君を鷲掴みにしていた 僕の両腕は自然と下がっていった… 全身の力がイッキに抜け、 ペタンと床に座り込む。 彼の問いかけには 力なく微笑むのが 精いっぱいだったんだ───… 「ごめん………… 今日はね、心美ちゃんに最後のお別れをしにきたんだ。 小日向君にも───…」 体育館の入り口から 生温い風が吹き抜け僕達の髪をそっと揺らした───