また恋をした、その時に。




「突然なんだけどね…僕、ココを離れることになって。」


──────怖い。

こんな事話しても誰も信じてくれないと思うんだ。



だけど小日向君なら・・・
僕の事、少しは分かってくれるんじゃないかな。





「は?どういう事?」

低い声が体育館に響き。

自分の体は石のように硬直して。

  言葉が続かない


「どういう事だよ、リク!!」


「信じられないかも…しれないケド………
僕は………人間じゃ…ないんだ
ウサギ、なんだよね。」


   ───…言った。



  “人間じゃ…ない”

この単語を言った途端
ツーっと一筋の涙が頬を伝う。


胸がぎゅううっと締め付けられるんだ。



──────もう嫌だ。


どうして………

どうして僕は
人間じゃないんだろう。



人間に生まれてきてたら
こんな想いしないですんだのに


きっと今頃は幸せだった。


お別れもしないですんだのに。