リク………?
   泣いているの?


静かなマンション前の歩道。

人気もない。



リクを抱きしめていた手に力が入る

震える肩と
微かに漏れる泣き声。

僅かな振動が私の体に
伝わってきて。

それが
彼のどうしようもない
心の叫びに聞こえて

胸がぎゅうっと締め付けられる。



何かを1人で抱えている。
こんなリクは初めて。


今まで奥に閉まっていた感情が
溢れ出ている、そんな姿だった。