また恋をした、その時に。




バランスを崩した僕は
そのまま床に崩れ落ちてしまう。

握り拳に僅かに当たったボールも

軽く弾んだだけで、
床に落ちて転がる。

3回目のラストに
繋げられなかった。


   24─25

再び相手のマッチポイント。


「あんま無茶はすんなよな?


小日向のスパイクなんて取れないっての。

とりあえず
みんなで繋げていこうぜ。」

そう言って
手を差し出したのは

小日向君のスパイクをレシーブした

僕の隣のポジションの和田君で。

彼もバレー部だ。


和田君の言葉に頷いてから立ち上がり

定位置についた。

構えてサーブを待つ。