頬に感じた
柔らかくてあたたかい温もり。

男は、
私の顔を包み込むように
両手を頬にあててから
そのまま、親指で丁寧になぞる。

目線は私の口元で。

私の涙を拭いながら、
質問の答えを待っている───

顔が徐々に熱くなって、
燃え始める…



  何なの?
  この“リク”って男────

知らない女にさ
当たり前のように触るなんて…

ありえないから。


「触んないで…………!」


パシッ…………

私は男の手を叩き思い切り睨む。


「何でここにいるの。
今すぐここから立ち去って。」


私はその男の袖を乱暴に掴む。

そして、ガラス戸を開け、部屋に入ろうとしたその時。

  嫌な予感がした───