私はその男に驚き、バランスを崩す。 次第に外に投げ出されていく体。 「……………や…」 一気に血の気がひく。 自分では、 もう…どうにも出来ない。 「お空…飛びたいの?」 ─────え? 焦りの中、 私の耳に信じられない言葉が 聞こえてきた。 普通、この状況…助けるでしょ。 このままじゃ、 地面にまっ逆さま──── このまま死ぬなんて、 ありえないから───! 「助けて…………!」 そう叫んだ次の瞬間。 私の体に鈍い痛みが走った。 一瞬の出来事だった。