「俺は? 昨日は普通に話してくれたのに。何で今日は目も見てくれないの?」


俺の問いかけに、彼女は傷ついた顔をして、俯く。


俺はきちんと彼女からの答えが欲しくて、ジッと顔を見つめた。


だけど無言のまま、時計の針の音だけが、響く。



この空気に耐えられなくなったのか、彼女は走ってこの場から立ち去ろうとした。


「ちょっ……!」



慌てて手を伸ばして、腕をつかんで引き止める。


「待てよ!」


……やべ。できるだけ優しい口調で接して、今まで恐がらせないようにしてきたのに。


つい、素が出てしまった。