教室について、ドキドキしながら、自分の席に座る。 隣の二宮くんは、本を読んでいる。 ……よし! 頑張れ、私! 「あ、あの」 「え?」 二宮くんは、パッと顔をあげて、私の顔を見てくる。初めて私から声をかけられて、驚いてた。 こ、ここで、間が空くと、会話が続かない。サッと、二宮くんが持っている本を指差す。 「その本、面白い?」 「ううん。ドイツ語だからわけ分からない」 「…………」