「ここんとこ、あみの様子がおかしいと思ったら、そういうことだったんだ。私には何でも話してよ。他には、何もないの?」

「……キス」

「は?」

「昨日、図書室で、キスされそうになった」

「ええ!?」


さすがにこれは驚いたのか、なおは目を見開いて、大きな声を出す。


誰にもこの会話が聞かれていないか、念のためまわりを見渡す私。


自転車通学の男の子達が、追い越して行くだけで、他に生徒はいない。