彼女の返事を待たずに、右手で髪を一房取って、初めて触れた。 思っていた通り……柔らかくて細い髪。 指先から髪が、サラサラと零れ落ちていく。 「綺麗だね……ずっと触ってみたかった」 ていうか、俺。今、すごいことしてない? 大好きな女の子の、ずっと触れたかった髪に触れて、体は密着状態。 彼女の動揺している表情が、たまらなくかわいすぎて……。 うるうるとした瞳はまるで小動物。視線をそらすことができなくて、ジッと見つめる。