「それ、なんて花?」 彼はとても魅力的な人。見上げるほど高い身長に、くっきり二重の整った顔立ち。 入学式の時、みんながかっこいいって騒いでた。 「……ハナモモ」 こんな、目立つ人に声をかけられるなんて。男の子はみんな苦手だけど、かっこいい人はさらに苦手だよ。 だって、緊張が倍になっちゃうんだもん。顔が赤くなって、心臓がバクバクしてきた。 早く、ここから立ち去ってほしいのに。