「田宮さん、いい香り」 「えっ?」 何だろ? 階段で抱き止めた時にも感じた。セッケンのような、自然な香り。 「香水? ……なわけないよね」 彼女はまた、顔をフルフルと横に振る。 「シャンプーかな。自分では、よく分からない……」 髪に触れて、恥ずかしそうに口を開くその姿はまるで天使。