「俺、ダッシュで化学室に行ってくるから、田宮さんは先に教室に戻ってて!」

「えっ」


俺は戸惑う彼女から、残りのノートを受け取って、階段をかけのぼって、渡り廊下を走り抜けた。


走るなと言われても、走りたかった。


だって俺……、ついに告白してしまったんだ!!


これで彼女は、俺を意識してくれるに違いない。


今まで以上に話さなくなるかもしれないけど。



それでも、絶対に諦めない。


男の子が苦手なら、慣れるように、なおせばいいんだから……。


俺が彼女を変えてやる。


彼女が俺に、本当の笑顔をむけてくれるまで……。