「……いい場所だね。いつかこんな家に住みたいな」
そんな私の言葉に、彼はクスッと笑った。
「こんな古くて、小さな家でいいの?」
「うん。相馬くんと二人だったら充分でしょ」
私の頭の中で、将来彼と住む家なら……なんて勝手に妄想中。
窓から入ってくるそよ風になびく私の長い髪に、彼は膝をつき、ソッっと、触れてきた。
「あ、ダメだよ! 窓開いてるから」
慌てて両手を後ろについて、のけ反る私。髪に触れてきた後のキスは、大抵濃厚なんだから。
彼は慈しむような表情で、私の顔をのぞきこむ。
「キスしたい……ダメ?」
「……苦しくないやつなら」
私の言葉を聞いて、クスリと笑った。そしてゆっくりと顔を近付けて、優しく唇を重ねてきた。


