「教室から、音楽室までって結構距離あるよね」 「え?」 「…………」 「…………」 うっ、うわぁ……。自分でも、しらけるくらいどうでもいい話題を口にしてしまった。 こんなこと言われても、困るよね。 彼女は俺に話し掛けられて、ビックリした表情になると、すぐに目をそらして小さく頷いた。 「……そうだよね」 あ、答えた。会話が終わらないように、すぐに口を開く俺。 「めんどいよね」 「うん……」 彼女は小さく頷くと、そそくさと俺のもとから離れていった。