「なお、どうしよう。私……相馬くんを傷つけて、ひどいことしちゃった」

「私から相馬に言おうか? 思い出したくもないことを、自分の口から言うのは辛いでしょ?」

「ダメ……相馬くんがかわいそうだよ。私のために、我慢してほしくない」


私は生涯、好きな人と愛し合うことができないかもしれない。


彼に打ち明けたらきっと、私のために我慢する。



私が過去を乗り越えられなきゃ。大好きな人の赤ちゃんも授かれないんだね。


泣けてきた。


なおは黙って、私を抱き締めてくれた。


「大丈夫だよ……簡単には過去を払拭できないだろうけど。あみなら乗り越えられるから……大丈夫」


相馬くん。
相馬くん。


ごめん。
自分の気持ちに気づけなくて。


私はやっぱり、あなたのことが、好き。



大好き。