放課後、誰もいない教室に私は一人椅子に腰かけていた。 帰りは、サッカーグランドを横切る。 彼目当てに、グランドを見に来ている女の子達の前を通るたびに、陰口を言われる。 それが嫌で、部活が終わってサッカー部員が部室に着替えに行くまで、私は一人教室に残るつもりでいた。 「あれ? 田宮さん帰らないの?」 思いがけない人に声をかけられ、ビックリして顔をあげる。 「二宮くん……」 それは同じクラスの、二宮くんだった。