顔を背ける私に、彼は両肩をつかんでくる。振り切ろうとしても、男の子の力にはかなわなかった。


「こういうとこだよ! 自分の感情だけで、先走って私の気持ちなんて無視じゃない!」


もちろん彼のせいだけじゃない。私にも悪いところはある。


あるけど……。


彼の切羽つまった言動に、また少し恐怖を感じて、つい爆発して言ってしまった。



すると、両肩をつかんでいた腕の力が少しだけ緩む。



「……あみは今まで、一度も感情的になったことない?」


か、感情的に……?