彼の声にビクンっと体が反応して、思わず目を開けた。 「……俺のこと嫌いになった?」 悲しそうな表情で弱々しい声で聞いてくる。胸がズキズキして……何て答えていいのか分からなくて、少しだけ間があいた。 「……嫌いじゃ……ない」 「好きでもない?」 「……」 好き、だけど、前のように触れあえない。 好きの後に“だけど”って、言葉がつくってことは……。 依然と同じ“好き”じゃないのは確か。 私は目を閉じて、小さく頷いた。