保健室につくと、先生は不在。こんな時に限って最悪。 二人きりはきついよ。 「とりあえず横になりなよ」 そう言って、彼は私の首もとまで布団をかけてくれた。そして丸椅子に腰掛ける。 「ありがとう。もう教室に帰っていいよ」 「先生が戻って来るまでいるよ」 静かな空間。 授業が始まっても、彼は教室に戻ろうとはしなかった。 遠くの音楽室からは、笛の音色が聞こえてくる。 私はゆっくりと目を閉じる。具合が悪いのを通り越して、今この状況が息苦しくて……胸が痛かった。 「あみ……」