でも彼は自ら桜庭くんの隣に座って、頭を下げた。


「ごめん。いくらカッとなったとはいえ、手をあげるべきじゃなかった」


桜庭くんも少し微笑んで、彼の背中をポンッと叩く。


「俺こそ悪かったよ。お前が元気なかったから、つい。田宮さんもごめん。ひどいこと言って。相馬に2発ぶん殴られたから許して下さい」


私にも謝って、頭を下げてくる桜庭くんに、私は慌てて、首を横にふる。


「でも二人で保健室に来たってことは、復活したんだな。よかったな」


彼は苦笑いして、血が出ている口元にハンカチを押しあてた。


手当ては養護教諭の先生に任せて、私は一人で教室に帰った。