「泣かないで……」 ズキズキと痛む胸。 私なんかのために泣かないで……。 「あみ……」 ソッと彼の指が、私の髪に触れようとした瞬間。 ――ビクッ!! 大きく体が震えて、身構えてしまった。彼はそんな私の姿に、目を見開いて、完全に動きが止まる。 「あ……保健室、行こう」 「……うん」 俯いて、元気なく返事をする彼。彼が私に触れようとした瞬間、自分でも驚くほど身構えてしまった。