「言わないと今日は止めないよ?」 「な、なんで? いつもより、イジワルなの?」 「だって試合が終わるまでは、あみに触れられないから。遊んじゃった……ごめんね」 そう言って、少しさみしそうに笑う彼を見て、胸がキュンとなった。 いつもかっこいい姿しか見せないくせに、私にしか見せないだろうこんな弱い表情をされたら……。 嬉しくて、愛しくて、背中に腕をまわして、思わず抱き締めてしまった。 今考えれば、この行為が彼の中のスイッチを入れてしまったのかもしれない。