「愛した人は誰かのもの」




夜の交差点


車のライト浴びたあなたの横顔



かすかに触れる肩


繋げそうで繋げない手




終電

なくなればいいと



本気で思った





でも


信号が青になり


終電に間に合ってしまう




もっと一緒にいたいと


もう離れたくないと




言いたいのに


言えない関係






あなたには帰る場所があり


そこに私は足を踏み入れることはできない





手を振るあなた



背を向けたあなたはもう私のことなど

考えていない




冷たい背中を見つめて



今夜が最後だと自分に言い聞かせる







愛した人は

愛してはいけない人だった