「雨音」



また今年もやってくる


梅雨の季節



僕らがお別れした


雨ばかりの季節



思い出すあの日


珍しく晴れた日曜日


傘も持たずに出かけた



いつものように君の手を取り

歩き出した僕



気付けなかった


君の笑顔が

雲っていることを



涙浮かべて


終わりにしようと


君はそっと僕に告げた




信じたくないから笑って答えた



冗談だろって




降り出した雨に濡れた君の髪が


通り過ぎる車のライトを浴びて


キラキラと輝いていた




雨が目に入るから


目を閉じてみた





僕は思い出していた



初めて君と会ったあの日を




楽しかったね


とても好きだった


君はどうだった?



僕にとって忘れられない思い出が

君とってもそうであるように祈る





またやってくる梅雨の季節


僕と君がお別れした雨の季節