「ありがとう…」 私は呟いた。 「魅羽?どうしたんだ?」 「ううん、何でもない!」 私は首を振った。 「そっか?じゃあ…戻るか」 壱耶は扉に向かって歩き出した。 ぎゅっ 私は壱耶の服の裾を握った。 「へ?」 壱耶が驚いて振り返る。 でも離さない。 「壱耶…」 「どした…?」 壱耶が私の顔を覗き込む。 「私、壱耶が好き」