色つきリップ〜紅い唇〜

　

慌てて返事をするわたしに桃ちゃんは言った。


「わかってないなぁ、美咲先輩は」


「え？」


「いつもお互いのこと気にして、見ていないと、Ｖサインなんて普通、気付きませんよ？」


「……そ、そう、かな？」


「そうですよ。まったく、みんな気付いてますよ」


「みんな？」


「部員達全員、大野キャプテンと美咲先輩の気持ちくらいわかってますよ？気付いてなかったのは当の本人達くらいですから」


驚いたわたしは真っ赤になって俯いた。


「……ホントに？」



「だから、バレバレですってば」





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