「真治……美咲にも考えがあって決めたんだから……」 「悪ぃ彩香、少し黙っててくれないか?」 「でも」 「悪い」 彩香の言葉に耳を貸そうともしない大野。 大野はわたしを真っ直ぐ見据える。 彩香はひとつ溜め息をついて、わたしに言った。 「美咲……行けば?」 「もう行かないって、決めたの」 「勝手に決めてんじゃねえよ」 「自分のことは自分で決める」 大野の目を見ていられなくて視線をずらしたその時目に飛び込む、大野の白い包帯。 わたしの視線がそこで止まる。 ・