色つきリップ〜紅い唇〜

 


「美咲、わかってないなぁ」


「何が?」


「昨日斎藤くんも言ってたよ?『美咲は童顔なのに胸が大きいところがたまらない』って」


「ヒドイ、わたしが1番気にしていることを……」


真っ赤になって胸を隠す仕草をしたわたしを見て、彩香が言った。


「そうやって恥ずかしそうにはにかむ美咲はすごく女の子らしいんだって!」


「もう!プールなんて行かないからね!」


「ダメ。さっき『行く』って約束したじゃん」


そう言って、走り出す彩香をわたしは追いかける。