「あーっ、遅刻するっ!タク邪魔だからどけてよっ」


「ゲホッゴホッ、風邪を引いちゃった弟に冷たくしたら……、バチが当ーたーるーよおー」


具合が悪いくせにご飯だけはちゃんと居間に食べに来るタクをはね退けて、あたしはトーストにかぶり付いた。


「うるひゃいっ、病人は部屋で寝てなひゃいよっ。ひかも朝からなんであんたらけカレー食べてんのよっ」


がつがつカレーをほお張るタクをジロッと見たあと、急いで口の中のトーストを牛乳で流し込む。