次の朝、目が覚めるとまるで退院をお祝いしてくれるみたいなとてもいい天気に、あたしは一段と胸が踊った。


病院最後の朝ごはんを食べてあれこれ身支度をしていると、お父さんとお母さんとタクが病室に入ってきた。


「姉貴、おはようさーん」


入院期間中、一回もお見舞いに来なかったタクが、赤いナスのTシャツを着てヘラヘラ笑っている。


「あっ、モモより冷たい奴が来たっ。あんた姉の心配しないで彼女のとこばっか行ってたんでしょっ」