「ただいまあ!お母さーん!ちょっと来てー!」


ドタバタと玄関に入ったあたしは大声でお母さんを呼んだ。


「お帰りなさい。どうしたの?」


夕飯の支度をしていたエプロン姿のお母さんが、居間の奥の台所から不思議そうに出てくる。


「まあっ、……モモちゃん!?」


あたしがなんにも言わないうちに、お母さんが腕の中の子猫を見付けて目を丸めた。