2階に上がり、悠ねぇ達の部屋の隣にある私専用の部屋に入る。 スーツケースをベッドの横に置き、窓を開けてテラスに出た。 遠くから微かに鳥の声がする。 目を閉じて、深呼吸する。 森の持つ独特の雰囲気に、 疲れていたはずの体がすーっと軽くなっていくのを感じた。 ─また長野に来れたんだ… なんだか解放感に満たされて、湖の畔をぐるっと見渡した時、遠くの木の下に何かが見えた。