「のー、のー、恵美さんよー」 「なんですか、弥生さんよー」 がやがやと騒がしい室内に二人はいるべくして、いた。 騒がしさも、いつものもので、意識しないと騒がしいとは思えない。 とにかく、二人――十六夜弥生(イザヨイヤヨイ)と江峰恵美(エミネエミ)――は、昼休みの学校でダラけていた。