「三船。お前だよ!

俺は、お前も泣いてるんじゃないかと思って、それで、来た」

淡々と話す、慎一くん。

「そんなことのために?」

「大事なことだ」

そう言う慎一くんは、真剣な目で私を見ている。

「優しくしないでよ!」

泣き出したくなる気持ちを抑えて、私はそう言っていた。

「私が泣くわけないじゃん!」

泣いたって、どうにもならない。

それを、一番よく知っているのは、私なんだから。

精一杯の強がりで、そう答えた。