「渚、ごめんな」

顔を上げると、いつからそこにいたのか、お父さんがひどく疲れた顔をして立っていた。

その後ろから、申し訳なさそうな表情のお兄ちゃんと悠里さんも現れた。

「お父さん…。どうして!?」

驚く私に、

「武生くんから電話をもらってね」

と、お父さんが教えてくれる。

私の視線をモモちゃんへと移動させると、

「渚に内緒で、勝手に電話したりして悪かったな」

と、全然悪びれた様子もなく、謝罪の言葉を述べる。

「本当のことが、分かって良かったから…」

小さくつぶやくと、止まっていた涙がまたあふれそうだった。