『すみません…』

そう言って頭を下げた、小さな背中のお父さん。

思い出そうとしても、その先のことは記憶が抜け落ちたように、真っ暗になる。

「飛び出した渚を、俺がなぐさめたんだ。

…覚えてない、よな!?」

確認するように、儚げな笑みを浮かべてモモちゃんは、そう言った。

「全然…」

私は静かに首を横に振って、そう答えた。

「ごめんね。僕のお母さん、渚にひどいこと言って。

お母さん、疲れてるんだ…」

何!?

モモちゃんは何を言おうとしてるの!?