「あの日の私は、どうかしてたわ…。

『誰かのせいにしちゃいけない』って、頭では分かってたはずなのに、気持ちが、それを受け入れられなかった」

叔母さんは前を向いているけれど、目の前にいる私のことは瞳に映さずに、ぼんやりと宙を見つめている。

「こんな私に、妹が愛想尽かしたんだと思った。

あなたに、『イヤ』って言われて…。

妹に拒絶されたような気持ちになったのよ…」

目を閉じた叔母さんの頬を、一筋の涙が伝う。

叔母さんは、私と一緒。

『自分はひとり』

そう思って、生きてきたんだ。