「美里さんの三回忌が、俺達家族の最後の日だった。

あの後、俺は父親に引き取られて、父親の産まれ育った土地へ引っ越して、父親の旧姓『百川』を名乗ることになったんだ」

と、その後のいきさつをモモちゃんは私に説明する。

「私は妹の死にとらわれ過ぎて、自分の家族を守ることができなかった…。

あなた達家族は、妹の死を乗り越えて、前を向いて必死に生きようとしていたのにね…」

叔母さんは瞳からあふれるものを、右手に握りしめていたハンカチで、そっと拭った。