辛い過去は、辛いままでしかないのだから…。

「例え、何も変わらないとしても。

渚には知る義務がある。

俺には、それを伝える義務がある。

だから、ちゃんと聞いて欲しい…」

訴えかけるようなその声は、自然と私の心に響いてきた。

モモちゃんは、話したいんだと思う。

それを聞いてやることで、モモちゃんの気持ちも救われるのかもしれない。

自分が、あの叔母さんの息子であるということを、私にうち明けるのは、すごく勇気のいることだったと思うから。