「お父さんは、背中を丸めて『すみません、すみません』って、何度も頭を下げてた」

モモちゃんの腕が、その言葉に反応する。

私の次の言葉を待ってるみたいに、力が緩んだ。

「お兄ちゃんも『ごめんなさい』って、叔母さんに泣きながら謝ってた」

脳裏に焼きついて離れない、あの光景を目にしなければ、私は笑っていられたのかもしれない。

あれは私にとって、『知らなくてもいい』ことだったのだから。

認めるしかなかった。

私は、お父さんやお兄ちゃんにとって、頭を下げて謝るような存在なのだということを…。